こんにちは浜松市中央区の歯医者「高倉歯科医院」の歯科医師の高倉です。
歯医者での治療でセラミックの被せ物や詰め物の治療やジルコニアの被せ物の説明等は聞いたことがありますか?
今回はセラミックとジルコニアによるそれぞれの治療のメリットとデメリットなどの説明を簡単にしようと思います(*^^*)
まずそれぞれの簡単な説明をすると、
セラミックは陶材。ジルコニアは人工ダイヤモンドです。
それではセラミックについてから説明していきますね。
セラミックは以前はポーセレンという長石やリューサイトなどの成分を主体として模型に盛り付けて焼成して作るものが主流でした。
しかし、ポーセレンは強度が低く、単体だと割れてしまうことが多かったため、現在は単体で用いられることは少ないです。
現在でも金属のフレームやジルコニアのフレームの上に盛り付けて焼成するような被せ物などはあります。
ポーセレンを表面に使うことにより、微妙な色の違いを再現することができることがあるので見た目などはよくできることがメリットですね。
しかし、現在主流のセラミックはポーセレンとは異なります!
E-Maxというセラミックが登場しました!
E-Maxとは二ケイ酸リチウムという成分が主となるセラミックです。
E-Maxの圧倒的なメリットは硬さにあります。天然の歯に近い硬さがあり、天然歯と噛み合った際にも歯と均等に摩耗していくため、1箇所だけ高くなるなどのリスクを下げることができ耐久性に優れています(  ̄▽ ̄)スゲェェェ
もちろん、従来のセラミック同様に透明感があり審美性も優れています(*^^*)
また、従来の金属などの被せ物と比べて接着力の向上や隙間を少なく作ることが可能なので、虫歯にもなりにくくなります。
ただし、セラミックなので、いくら硬くても強い衝撃などがかかれば割れるリスクはゼロには出来ません。
万が一割れた際にも被せ物の中に虫歯が進行しているリスクが低いので新たに被せ直すことが可能なことは多いです(*^^*)

当院ではE-Maxでの被せ物や詰め物を作製する機械と院内の技工士さんがいるので比較的安価にて提供することが出来ます(*^^*)
気になったら聞いてくださいね。
では、続いてジルコニアの説明をしていきますねm(_ _)m
ジルコニアとは二酸化ジルコニウムという、金属系のセラミックです。人工ダイヤモンドとも言われていてとても硬いセラミックになります!
従来の金属とは違い金属アレルギーを起こす心配はありません。
こちらも昔は種類が少なく、歯の3倍以上硬くて、見た目も単色で色が悪いものしかなかったのですが、数年前から進化したジルコニアが登場しました!
マルチレイヤージルコニアというジルコニアが出てきました!!
マルチレイヤージルコニアとは歯の自然な色を再現するために何色ものジルコニアを重ねてグラデーションを作ったジルコニアとなります。
何層にも重ねたマルチレイヤーのジルコニアのディスクを加工することにより、強度が高く、審美性に優れた被せ物やブリッジを作ることが可能になりました!!(  ̄▽ ̄)スゲェェェ
また硬さも以前は硬すぎたのですが、歯の1.5倍程の硬さにまで合ってきました!!
企業さんや研究している方は凄いと日々思います。感謝(*´ω`人)感謝

右はE-Maxによる詰め物。
マルチレイヤージルコニアが登場したことにより、審美性も兼ね備えた強度の高い被せ物が治療で使えるようになりました。
それにより、以前は金属のフレームを使わざるを得なかったインプラントの上物や、セラミックでは対応出来なかった奥歯でのブリッジの治療なども全体を白くでき、審美性のいいジルコニアでの治療が可能になりました!!
また、歯ぎしりや食いしばりが強く、セラミックなどでは割れてしまった人でも治療が可能になってきました。
ただし、ジルコニアにも欠点はあります………
審美性はかなり良くなったのですが、それでもセラミックの方が光の透過性が高いのでより綺麗に見えます。
こちらは大きな差は無いので、被せ物の強度のメリットから前歯で用いることもあります。
次に歯との接着力の低さです。歯との接着力はセラミックと比べても低いので脱離するリスクがセラミックよりも上がってきます( ; ; )
綺麗に外れてくれれば、問題なく再度装着できますが、少し浮いた状態などで長期間使用するとジルコニアでも割れることはあります( ˊᵕˋ 😉
ただし、こちらも企業努力によって接着剤の進化や前処理剤の研究が進んだため接着力も向上しています(*^^*)
また、セラミックよりは強度が高いですが、過度な力がかかれば割れることもあります。
そして最後に圧倒的なデメリットとしてはジルコニアを詰め物で用いる際に生じます_| ̄|○
1つ目は歯の摩耗が生じた際に尖って残ってしまうことです。
歯は歯ぎしりしている人だけではなく少しずつ噛む面が削れてきます。

例えば上の画像の赤い線のように天然の歯が削れた際に右の画像にある銀歯やジルコニアは削れずに残ってしまいます。
左の画像のようなゴールドなどの詰め物の場合は柔らかさがある金属なので少しずつ延びていき段差を作らないので問題ないのですが、、
ジルコニアは尖ってしまった部分でかみ合わせとなる反対の歯をゴリゴリ削ってしまいます(꒪д꒪II
2つめは製作方法による問題です。。
マルチレイヤーのジルコニアはCAD/CAMシステムという方法で製作されています。
模型や歯の情報をスキャンしてコンピューター上で詰め物や被せ物の設計を行ない、機械が削り出して製作する方法です。
CAD/CAMシステムを用いる際に使う光学印象もかなり制度が良くなっているので、被せ物などでは実物と差が少ないのですが、、
詰め物の場合は歯の噛む面の境目でエッジロスという現象が生じます。
エッジロスとは尖っている箇所が丸みを帯びた状態でコンピュータ上でデータが出てしまうことです。
本来のお口の中で割れるリスクを下げるために角はしっかり分かるように形を整えるのですが、角が丸まった状態で詰め物が製作されるため、浮き上がりの原因や、隙間ができてしまいます、、、
接着剤の進化や、CAD/CAMシステムもかなり進化してきているので、影響は少なくなっていますが、個人的には詰め物の際にはE-Maxによるセラミックの方がメリットは大きいと感じています(^^;
もちろん、先生によって考え方は違いますし、患者さんの口腔内の状態によるので一概には言えませんm(_ _)m
どんな材料でもメリットとデメリットはあるので、治療の際にわからないことや聞きたいことがあれば聞いてくださいね。

これらは当院でセラミックやジルコニアを接着する際に用いる前処理剤や接着剤となります。
材質によって前処理の方法や薬剤が異なります。より強固に接着できるように勉強会や研究データなどから選択しています。
セラミックやジルコニアによる治療は保険外診療となるため高額な治療になってきます。
より長持ちするように形作りの際の切削器具、型取り用の専用トレーや材料、院内技工士での前処理、診療室での前処理などを選択しています。
歯科の材料は企業さんの努力によりどんどん進化しているので、今後も新しい知識や技術を取り入れるために勉強会や院外の技工所さんから今後も学んでいこうと思います!!