皆様、こんにちは。
浜松市中央区の歯医者「高倉歯科医院」にて事務を担当しております、高倉です。
今日は、自分の趣味の一つである映画鑑賞で過去にみた作品から、ウィズ・コロナ時代を考えようと思います。
もう10年以上前の作品ではありますが、謎の新型ウィルスが原因で起こる感染拡大やそれと闘う人々の姿を描いた作品では「感染列島」がありますね。
当時、借りてきたDVDをぼーっと眺めて眼に映りこんでいたあの映像に近しいものが、まさか現実のものとなって眼下に広がっていくとは、まったく予想だにしませんでした。
ですが、今回はそういった「ウィルスの恐怖」といった観点からではなくて、「新型コロナが世界的に蔓延した、じゃあこれからどうするの?」って観点で、一つの映像作品からウィズ・コロナ時代を考えていこうと思うのです。
前置きが長くなりましたが、今回紹介する作品は、奇しくも先程あげた感染列島と同年に公開された伊坂幸太郎氏原作「フィッシュストーリー」です。
世の中には、歴史上の「もしも」や「if」を描く作品は数多ありますが、その中でも快作だと僕は思っております。
ネタバレになってしまいますので、話の大筋はお伝えできませんが、ざっくり言うならば、「風が吹くと桶屋が儲かる」という言葉の構造を、ちょっと脚色して視覚化して「あの日起きた些細な出来事で世界が救われたよ」という風合いにした作品です。
或いは似た意味の言葉で、「ブラジルでの蝶の羽ばたきはテキサスでトルネードを引き起こす」などというのもありますね。
これを様々な学問ではカオス理論や、バタフライエフェクト等と呼ぶそうですね。
余談ではありますが、「バタフライエフェクト」という映画もまた名作です。
さて、話を戻しますが、「風が吹くと桶屋が儲かる」という現象の構造は、「風が吹くと土埃がたつ」「土埃がたつとそれが目に入ることで盲人が増える」からスタートするのですが、スタート地点から話に飛躍があり、そんな可能性の低い微細な因果関係をとって繋げたバカげた話だと思ってしまうようなものですね。
ですから、仮にビジネスの世界においては、このようなバイアスのかかった物の見方をするのは、忌避されるべきものでしょうが、果たして現実世界でも須くそれはタブーと言えるでしょうか。
僕は、答えはノーだと思います。
勿論、今回の新型コロナウィルスの蔓延で、現実に被害を受け、亡くなった方もいるのは事実ですし、楽観的に捉え過ぎるべきではないです。
しかし、例えば「あの時、世界的に新型コロナウィルスが蔓延したから、珊瑚礁が絶滅を免れた」だとか、そういったマイナス方面じゃない微細な可能性も生まれうると僕は思っています。(裏を返すならば、「あの新型コロナウィルスの影響で一国が滅びた」等というマイナス方向の微細な可能性もまたゼロではないといえますが…。)
偶然が産み出した「奇跡」的な現象も、そこを終着点として逆算するならば、その足跡はまさに「軌跡」と呼べるものでしょうし、それはモノによっては或いは「風が吹くと桶屋が儲かる」というフィッシュストーリー(ほら話)に近しいものかもしれません。
ウィズ・コロナの時代において、今生きる僕たちが将来に向けてすべきことは、この直視に耐え難い現状を踏まえた上で、ここからマイナス方向には決して進まないようにと、不断の努力と忍耐と覚悟と決意とをもってして、やがてくる「奇跡的な復活」を道標に掲げて、それを迎えいれる準備をすることではないでしょうか。
決して平坦な道のりではないでしょうが、少なくともウィズ・コロナ時代におけるウィルスとのつきあい方は、段々と明確化してきていると思います。
例えば、手の洗い方を気をつけるだとか、そんな小さな一歩一歩の積み重ねを、皆で揃って踏み固めていくことが、大事を成し遂げるのだと僕は思います。
と、まぁ、仰々しい話を続けてしまいましたが、「フィッシュストーリー」はおすすめの一本です。是非、お時間のある方は、はじめは訳分からんと思うかもしれませんが、グッと堪えてご鑑賞願えれば、と思います。