こんにちは、浜松市中央区早出町の歯医者、高倉歯科医院の歯科助手スガです。
先日は美紀さんと、ハンブルク交響楽団の公演をご一緒したり、ここ最近は、同じく美紀さんとクラシック音楽の情報(音楽ファイル)を共有して楽しんでおります。
勿論、内輪での共有に留めていますので、著作権さんも二人内での共有位なら目くじらをたてず寛容に許してくださるものと信じます。
今回は、件のファイル群の中で、これは!と思ったものをご紹介致します。
バッハの『ゴルトベルク変奏曲 』BWV988 です。
ゴルトベルクはバッハの弟子の名前です。本来は、この弟子本人が請け負った仕事で、不眠症に陥ったカイザーリンク伯爵から眠れる音楽を依頼された事が始まりで、行き詰まって師匠に相談?丸投げ?したそうです。
実際は聴いてみると、眠るどころか、眠れぬ夜を過ごす為の暇潰し的な明るい曲調が多く、一曲の時間も1分から2分位の短い曲が32曲あります。
Glenn Gould 81年デジタル録音と、Lang Lang と聴き比べ、私としてはどちらも個性があって良い、どちらも良い、いや、やはりGlenn Gouldか…と代わる代わる聴いています。
私の中では、バロック音楽は聴きつけないものだったのですが、高レビューに惹かれてポチったのでした。
厳密な奏法がメジャーですが、彼らの演奏は、一音一音に意味を持たせた表現をしていて、表情が豊かで、おそらく型破りな方に傾いた演奏なのでしょう。何度聴いても飽きないし、演奏家によって解釈(ピアノ派orチェンバロ派)も違うのだな、と聴くたびに感動します。沁みます、録音なのに泣けます。
音楽は言葉の抑揚が元になった、と言われる所以がわかるような気がします。他のレビューにあったのですが、「天上の調べ」とはよく言ったものだなぁ、と思いながら聴いています。個々人によって想像される処は違うけれど、この音楽は私には、世界の理について語ったり、歌ったりしているようにきこえるのです。
この音楽、実は『ハンニバル』という原作は小説の作品で映画化された中にも登場します。
世代格差とでも言おうか、ある年代以上の方にはすぐにお判りかと思いますが『羊たちの沈黙』の続編のミステリで猟奇殺人を扱うので、それはもう恐ろしいシーンがTV放映の際は大幅にカットされたものでした。
私としては原作小説、映画どちらも履修済みだったのですが、ディテールは忘れてしまっていて調べていくうちに知った事でした。
ハンニバル・レクター博士が、このバッハの『ゴルトベルク変奏曲』BWV988 の、まさにこのGlenn Gouldの81年版を情報の対価に要求し、監獄内に音楽が響き渡る中で看守を殺して脱獄する、というシーンに使われました。
他作品でも、ゴルトベルクは登場しやすいようで、『時をかける少女』だったり、私の場合は『オペラ座の恋人』というネット小説で、まさに成立した背景を思わせる、不眠症に陥った人物に巨匠が弾いて聴かせるという場面によって存在を再認識したり。
また最近、コロナが流行っているようで、再びの、ひきこもり生活のお供に自室の本棚を発掘しようと思ったできごとでした。
皆様、お体おだいじになさってください。