口を動かしたときに顎の関節から音がする、顎の骨が痛くなる、または、口を開けにくいといった症状はありませんか。もし、心当たりがあれば、顎関節症を疑ってみましょう。
症状としては、硬いものや大きなものが食べにくいと感じる人もいます。
顎関節症は、多くの人が考えている以上に一般的な病気で、一生のうちに軽度の症状を含めると、2人に1人は発症するともいわれています。
また女性のほうが発症しやすく、男性に比べ患者数は2~3倍になるのも顎関節症の特徴です。
顎関節症の原因
顎関節症の原因は、多くの場合、噛み合わせの異常です。
では、なぜ噛み合わせが悪くなるのかというと、ほとんどの場合、生活習慣や癖の影響です。うつぶせ寝や歯ぎしり、頬杖、食べ物を片側の歯だけで食べるなどさまざまな要因が考えられ、猫背など姿勢の悪さ、ストレスなども噛み合わせに悪影響を及ぼします。
顎関節症の治療
顎関節症を治すには、噛み合わせを正しくすることが大切です。そのためには、いくつかの治療法があります。
バイトプレート
一般的なのは、バイトプレートというマウスピースの一種を口の中に入れる方法です。それによって、噛み合わせを整え、顎の関節の位置をバランスよく調整します。
それによって顎の関節が正しい位置に収まれば、顎関節の正しい動きを取り戻し、痛みや音、不快感などもなくなります。
バイトプレートがなくても、正しく歯を噛み合わせることができるようになれば、治療は終了です。
筋肉をほぐし関節の動きをよくする運動
顎の筋肉をほぐしたり、関節の動きをよくしたりする運動を続けて、顎関節の位置や動きを改善する方法もあります。
主な運動としては、大きく口を開けてあごの筋肉をほぐす大開口練習、ずれた関節内の組織を元に戻す円板整位運動、顎の関節の動きをよくする下顎頭可動化訓練などがあります。
マッサージ
最近は、マッサージによって顎関節症を改善させる治療が普及してきました。顎の周辺にある筋肉を覆う組織「筋膜」に着目し、マッサージでほぐす方法です。
顎関節症になると、顎の周辺の筋膜が癒着してこわばり、痛みが生じます。
自宅で簡単にできるマッサージもあります。
顎関節症をセルフチェックしてみよう
顎関節症が軽い場合、自覚症状がないこともあります。そこで、まずは自分が顎関節症になっていないかセルフチェックしてみましょう。
次にあげる症状に思い当たる点があれば、顎関節症を疑ってみてください。
- 食べ物をよく噛んだり、長時間会話をしたりすると、あごがだるくなり疲れる
- あごを動かすと痛みがあり、口を開けたり閉じたりすると、特に痛みを感じる
- 耳の前やこめかみ、頬のあたりに痛みがある
- 大きなあくびやリンゴの丸かじりをすると、痛みがある。大きな口を開けられない
- ときどき、あごの関節がひっかかったようになり、動かなくなる
- 人さし指、中指、くすり指の3本を縦にして、口に入れることができない
- 口を開け閉めしたとき、耳の前のあたりで音がする
- 最近、あごや首、頭などを打ったことがある
- 最近、かみ合わせが変わったと感じる
- 頭痛や肩こりでつらい