歯の手入れに気を使うようになると、だれでも「もっと白い歯と美しい口元を手に入れたい」と思うようになるものです。モデルのような白く美しい歯に憧れる人も多いことでしょう。 歯を美しくするには、ただ白くするだけではいけません。美しい噛み合わせで歯や口元を動かすことも大切です。
そのような歯や口元を手に入れると、自然と食事もおいしくなり、健康にもなります。歯並びを整えることは、全身の健康を整えることにもつながります。
ただ、こうした治療は保険診療で行うことはできません。保険診療は虫歯や歯周病の治療など、病気を治して最低限の機能を回復することが目的で、現在の歯をより機能的にしたり、病気を予防するために整えたりする治療は、対象外となってしまうのです。
審美治療は、保険対象外の自由診療である代わりに、審美面を改善しながら悪い部分を治療することができます。
また機能面でも、虫歯や歯周病になる前より口内環境を改善し、虫歯や歯周病になりにくい口や歯に変えることができます。それは大きなメリットとなるはずです。
特に審美治療をおすすめしたいのは、つぎのような人たちです。

 銀歯の光沢が気になる

保険診療で大きな虫歯の治療を行うと、どうしても銀歯になってしまいます。しかし、白い歯の中の銀歯はどうしても目立ちます。
審美治療で治療をうければ、セラミックなどでできた白い詰め物や被せ物に替えることができます。セラミックなら、白く自然な見た目や仕上がりになり、一目では分かりません。

 歯の色を白くしたい

歯の色は年を重ねるごとに、色素が沈着するなどして黄ばんだり黒ずんだりするものです。
審美治療では薬剤を用いて歯を白くしたり、セラミック製の詰め物や被せ物で歯を美しく見せることができます。

 きれいな歯を長持ちさせたい

保険診療による詰め物や義歯は年月の経過によって素材自体が劣化したり、金属の特性で周囲の歯茎を黒っぽく変色させたりします。
審美治療であれば自由に素材を選べるので、自分の体質や好み、予算にあわせて治療ができ、きれいな歯を長持ちさせることができます。

セラミックを用いた治療がおすすめの人

セラミックは、陶器の一種で、患者の歯の色にあわせた微妙な色合いをだせるのが特徴です。保険が効かない自由診療となるため、治療費は高額になりますが、保険診療で用いられる歯科用プラスチックや銀歯に比べて、さまざまなメリットがあります。
最近では、見た目の美しさだけでなく、耐久性や機能面も考えて、セラミックを選ぶ人も増えています。
セラミックによる治療をおススメしたいのは、次のような人たちです。ぜひ、一度審美治療を検討してみてください。

• 自然な仕上がりで、見た目の美しい歯を大切にしたい人
• できるだけ長く使える素材で治療を受けたい人
• 健康な歯の寿命を長く延ばしたい人
• アレルギーなどの心配がなく、安全な素材を望む人

審美治療の注意点

審美治療は歯並びや口元の周りの見た目を整え、白く健康的な歯を維持することを目的とした歯科治療です。歯や口元が美しくなることによって、人は自分に自信を持ち、人前でためらうことなく、堂々と話したり明るく笑ったりできるようになります。
堂々と振る舞うあなたを見て、周囲は素敵な人だと思うことでしょう。
また、歯を美しくするメリットは見た目だけではありません。セラミックを使えば金属アレルギーの心配はありませんし、銀歯よりも丈夫で長持ちする素材も使えます。費用面を除けば、どんな人にも勧めたい治療なのです。
しかし、あまリ美しさを追求しすぎてしまいますと、注意点があります。それは審美面を追求するあまりに、歯の健康を損なう危険性があるということです。
例えば審美治療の治療の中には、健康な歯をより白く見せるために、セラミック素材の被せ物や板などを張り付けるという治療があります。しかし、歯の上から何かを装着するには、歯の表面を削らなくてはなりません。
歯が削られると、どうしてもダメージは避けられません。歯が弱くなり、寿命も短くなることで、歯全体のバランスが崩れてしまうことさえあります。そんなことになっては、なんのための治療か、わかりませんね。
そのような治療は患者さんのためにはなりません。審美治療の治療を受ける前には、きちんと歯科医師と話し合い、納得して受けるようにしましょう。カウンセリングをおろそかにする歯科医院での治療は避けたほうがいいかもしれません。
カウンセリングは、患者さんがどのような治療を望んでいるのかを聞き、それに対し歯科医師が治療の選択肢を提示する場です。
希望をかなえるために何ができるのか、どのようなデメリットがあるのか、費用はいくらかかるのかをしっかり理解してこそ、満足のいく治療が受けられるのです。

審美治療治療に使われる素材とは

 オールセラミック

オールセラミックは、陶器の一種であるセラミックだけでできた素材で、金属を全く使わないため透明感のある美しさが特徴です。治療後も一目では、被せ物や義歯だとは分かりません。
主に前歯に使われますが、最近は強度も増し、奥歯として使用しても問題はありません。

 MB（メタルボンドセラミック）

MBとは内側が金属で外側にセラミックを焼き付けた素材です。
金属を利用しているために強度が高いので、奥歯に適しています。金属部分が見えることがあるので、あまり前歯には適していません。

 ハイブリッドセラミック

ハイブリッドセラミックはセラミックと歯科用プラスチック（レジン）を混ぜあわせた素材です。
オールセラミックに比べると、硬さが自然の歯に近く、歯へのダメージを軽減できます。また、費用も比較的安く、一定の条件を満たせば保険が適用されることもあります。

どのように使い分けるのか

オールセラミックといっても、使われる素材によってジルコニア、e-maxといった製品があり、歯科医院によって扱っている商品に違いがあります。
それぞれ硬さや色合いなどに違いがありますので、特徴に合わせて製品を選ぶことが大切です。
たとえば、ジルコニアやMBは患者さんの本来の歯と同じ色にするのが比較的難しいのですが、e-maxではどんな色もだせるため、前歯の治療に適しています。
一方、ジルコニアやMBはe-maxより強度があるので、奥歯の詰め物、被せ物、ブリッジなどに適しています。
このように、前歯と奥歯の特徴のちがいなどを踏まえて、治療に適した素材を選ぶことが大切です。事前に素材の特徴なども確認しておきましょう。

安価な治療費用

審美治療は基本的に保険が適用されない自由診療なので「歯や口元を美しくしたいけれど、治療費が心配」と考える人は多いでしょう。
しかし、自由診療は医院によって治療費を決められるので、さまざまな工夫で費用を抑えている歯科医院もあります。ネットで歯科医院の公式サイトを調べたり、直接尋ねたりしてみて、比較的安く治療できる歯科医院を探してみましょう。
せっかく美しい歯や口元を手に入れるチャンスがあるのに、費用の問題で諦めてしまうのは、もったいないと思いませんか。
たとえば、ジルコニアであれば一本数万円台で使える歯科医院もあります。予算に合わせて、希望に最も近い治療を、ぜひ探してみてください。

歯肉をキレイにするガムピーリング

 ガムピーリングとは

ガムピーリングとは、メラニン色素によって黒ずんだ歯肉を、若々しいピンク色に回復させる治療です。
人は会って0.5～30秒で相手の印象を決めると言われています。その際、白い歯やキレイな歯並びは好印象を得るためのポイントの１つですが、歯肉の美しさも重要です。
歯肉が黒ずんでいると、多くの人はそれだけで、不健康や不潔など悪いイメージを持ってしまうそうです。
そこで、黒ずんだ歯肉を若々しくフレッシュにしようというのが、「ガムピーリング」です。メラニン色素を除去して、ピンク色の歯肉を蘇らせます。

 歯茎の黒ずみの原因

歯茎が黒ずむ原因はメラニン色素です。ご存知のように、日焼けの元になる色素です。 メラニン色素には皮膚を紫外線から守る役割があり、紫外線を浴びると数を増やし肌の色を濃くします。また、喫煙をするとニコチンの影響でメラニン色素が増え、歯肉が黒っぽくなってしまいます。
このほか、口呼吸をする人も口の中が乾燥して刺激を受けやすくなり、メラニン色素の生成が活発になります。
メラニン色素は、皮膚の表面の組織にだけ存在するので、薬剤などによって除去することができます。メラニン色素が減った歯肉は、きれいなピンク色に戻ります。
ただし、金属を使った詰め物や被せ物の金属イオンが浸透することで歯肉が黒くなったときは、薬剤できれいにすることはできません。
このように、歯肉が黒くなる原因として、紫外線の浴びすぎや口呼吸、喫煙、金属アレルギーなどが挙げられます。
思い当たる点がある人は、歯科医院で相談してみてはいかがでしょうか。
歯科医院でも事前に説明があると思ますが、ガムピーリングにはいくつか注意点があります。
まず、施術後に、やけどをしたような痛みを感じることがあります。痛みには個人差がありますが、施術後は辛い物や塩分の多い物など刺激の強い食べ物は、控えてください。
また、施術後の2～7日間ほど、歯茎が白っぽくなります。いったん白くなった後、健康な歯茎の色に変わっていくので心配しなくても大丈夫です。

 薬剤を使ったガムピーリング

ガムピーリングには、専用レーザーを使った除去法と薬剤を使った除去法、外科手術で黒ずんだ部分を切り取ってしまう方法があります。ここでは、薬剤を使った除去法を紹介します。
薬剤を使った除去法とは、エタノールやフェノールなどの専用薬剤のタンパク変性作用を利用した方法です。薬剤を塗って数日たつと、歯茎の上皮組織が薄皮のようになり、メラニン色素と一緒にはがれてしまいます。

ガムピーリングに関するよくある質問